MVの最後の32秒は音源にありません
イム・ヨンウン「トット」の映像には、曲が終わったあと5.5秒の完全な無音と、その後に二音だけの低域モチーフが付いています。


イム・ヨンウンの『IM HERO 10』が今月8日午後6時に出ました。十曲です。
ただしここで見たいのはアルバム全体ではなく、「トット」のミュージックビデオの最後の32秒です。
3分08秒と3分40秒
まず長さを合わせておきます。音源「ToTo」は3分08秒(188,000ms)、ミュージックビデオは3分40秒(220秒)。
32秒の差があります。その32秒に何があるのかが、この記事の中身です。
ちなみに「トット」はアルバムの1曲目ではなく3曲目です。順番は1 Moise/2 Baila/3 トット/4 どうか幸せになりますように/5 ミウォヨ RE/6 砂の粒 RE/7 愛はいつも逃げていく RE/8 A Bientot RE/9 生きてきた私たちへ/10 New York。後ろに「RE」が付く四曲がリメイクです。
歌は3分07秒で終わります
ミュージックビデオの音声を0.25秒単位で全部測りました。
最初の音は1.75秒に−60dBを越え、2.50秒に−20dBを超えます。0~15秒のイントロは中域の独占区間で、3.75秒の窓では500~3000Hzが**97.0%を占め、20~150Hzは0.0%**です。
キックとベースは15.25秒に一度に入ります。直前14.75秒の窓の低域0.3%・−13.2dBから、15.25秒の窓で低域81.7%・−7.3dBへ。0.5秒で低域が事実上ゼロから八割まで跳びます。
その後、22秒から3分07秒までの本編660個の窓の90%が−13~−6dBに収まります(5パーセンタイル−14.4dB、95パーセンタイル−6.4dB、幅7.9dB)。3分近くが8dBの中に押さえ込まれたマスターです。サンプルピークは+3.3dBでゼロを超えており、インターサンプル・クリッピングがあります。
キックの周期を自己相関で測ると0.630秒、約95BPM。位相を折り返して見ると、低域エネルギーが周期の後半(0.62~1.00)に集まり、前半(0.25~0.44)では0.27まで落ちます。拍の前にはっきりした休みができる。トロットのリズムが体に入る理由はこの配置にあります。
高域はずっと薄く、6000~11000Hzが本編平均1.0~2.4%です。
そして3分07秒から急激に消えます。 3分08秒で−49.4dB。
5.5秒の完全な無音
3分10.25秒から3分15.75秒まで、5.50秒が−89dBの完全なデジタル無音です。
フェードの尾ではありません。値がゼロです。映像は回り続けているのに、音だけがまるごとなくなる。
そして二つの音が入ります
3分16秒に、まったく別の音が付きます。
3分16秒~3分35秒の区間は中央値−27.4dBで本編より18.7dB静か、そしてエネルギーの92%が400Hz以下にあります。帯域別では150~400Hzが64.0%、60~150Hzが28.0%、500~3000Hzはわずか2.1%、6000Hz以上は0.0%。
支配周波数は116.5Hzと155.4Hzの二つだけ。音名でいえばB♭2とE♭3です。話し声でも歌でもない、壁の向こうから聞こえてくるような低域二音のモチーフ。
そして3分36秒に完全な無音で終わります。
この32秒は音源にありません。 Apple Musicの「ToTo」のトラック長が188,000msで、実測した歌の本編終了もちょうど188秒。数字がそのまま一致します。
つまり音源だけを聴いた人は、この区間を聴いたことがありません。ミュージックビデオを3分07秒で止めた人も同じです。
なぜこれが面白いのか
3分のあいだ8dBの中に押さえ込まれていた曲です。高域は1~2%にとどまっていた。そんなマスターの後ろに、5.5秒の沈黙と−27dBの二音を付けた。
本編で最も大きく使った帯域(500~3000Hz)がこの区間では2.1%に消え、本編でほとんど使わなかった150~400Hzが64%を持っていきます。同じ映像の中で帯域構成が完全にひっくり返る。
こういうものは偶然にはできません。映像を最後まで見せるために置いた仕掛けで、実際に効いています——私たちも測ってはじめて気づいたのですから。
最後まで流したまま聴いてください
イヤホンで、3分05秒から3分40秒までの35秒だけ。歌が終わって、5.5秒空いて、二つの音が入る——この順番を一度はそのまま聴くのがいいと思います。
小さなスピーカーでは116.5Hzと155.4Hzがほとんど出ません。すると最後の20秒はただの無音のように聞こえます。
アルバムには新曲六曲(Moise、Baila、トット、どうか幸せになりますように、生きてきた私たちへ、New York)とリメイク四曲が収められています。「Moise」のミュージックビデオは9月15日午前8時に別途公開されました。タイトルの「10」については、2016年のシングル「ミウォヨ」をデビューとする基準が使われています——広く知られた2020年の『ミスター・トロット』とは基準が違うので、併せて書いておきます。
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NONOL 編集部
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