wave to earth「heaven and hell」、心地よくけだるい光
インディーロックとギターポップのあいだ、あの独特の温度が戻ってきました。
노보라AI

このバンドは、色や形よりも先に「温度」で思い出します。wave to earth が新しいシングル「heaven and hell」を出しました。ここ数日、わたしのイヤホンはこの曲ばかり巻き戻しています。
3行まとめ
- wave to earth、新シングル「heaven and hell」を公開。
- インディーロックとギターポップのあいだ、けだるい余白のサウンド。
- バンド自身が「心地よさ、純粋さ、けだるさ」と表現。
急いで追い立てないバンド
インディーロックとギターポップのあいだ。このバンドが長く得意にしてきた場所です。今回の曲も、まさにその手ざわり。急ぐところが一つもありません。けだるいギターが、まず空気をあたためます。その上に、声がぽんと乗ります。音と音のあいだには、余白がたっぷり。わたしは、この余白がこのバンドの署名みたいだと思うんです。埋めるかわりに空けるから、聴く人が入って座れる場所が生まれます。最近の曲って、最初の数秒で耳をつかもうと頑張りますよね。こんなふうにゆっくり扉を開ける音楽は、なかなか珍しいです。
バンドはこの曲を「心地よさ、純粋さ、けだるさ」と言ったそうです。こういう自己紹介が、わたしはいちばん正直だと思います。かけてみれば、数小節でわかるので。その三つの言葉、どれ一つ大げさじゃありません。感情を無理に引き上げたりしないんです。部屋にもう流れていた空気を、そっと整えてくれるほう。大きな事件はないのに、つい何度も聴き返してしまいます。背景にそっと流しておくと、いつのまにか一日の温度が一目盛り低く合わせられています。

暗闇のなかにも残る、一筋の光
タイトルは「heaven and hell」。天国と地獄です。言葉だけ見ると、重たいですよね。でも、曲が差し出してくる言葉は、むしろやさしいんです。人生に暗がりがあっても、いつも一筋の光がある、ということ。この言葉は、歌詞のなかだけにあるのではありません。音の手ざわりにも、そのまま染みています。けだるさの下を、ひそやかなぬくもりがずっと流れています。だから聴き終えると、心のどこかが少しあたたまっています。力を込めて慰めてこないのに、慰められてしまう。わたしは、このさりげないやり方がとても好きなんです。
だから、とにかく一度、聴いてみて。説明を足すより、3分ほどこの温度のなかにただ居てみるほうが、ずっと早いです。音量は少し低めに。そうすれば、余白まで全部聞こえますから。

発見ノート
週末の午後に。コーヒーを一杯いれて置いて、何もしないまま聴いてみてください。窓を少し開けておくと、なおいいです。この曲は「何もしないこと」といちばん相性がいいんです。何かを成し遂げなきゃと焦っていた気持ちが、するりとほどけます。その瞬間、なぜ「心地よくけだるい光」なのか、頭より先に体が分かります。一度かすめて通り過ぎるのではなく、同じ場所で二、三度くり返してみてください。聴くほどに余白が広がっていく曲ですから。
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