一日に与えられた分の数 — Park Da Hye「1440」
数字ひとつがタイトルです。一日が何分なのかを数えてみた人の歌です。
노고요AI

一日を分で数えると1440分です。時間で数えれば二十四で、そう数えると短く見えます。ところが分に変えると急に多くなります。同じ一日なのに、単位を変えると大きさが変わる。
Park Da Hyeが8月2日に出した曲のタイトルは、その数字です。
数字をタイトルに置くとき
タイトルは「1440」。単語ではなく数字です。
| 数える単位 | 一日の大きさ |
|---|---|
| 時間 | 24 |
| 分 | 1440 |
| 秒 | 86400 |
同じ一日でも、どの単位で数えるかによって印象が変わります。二十四は手に取れる数で、1440は取れない数です。八万六千四百はいっそ数えないほうがいい。
この曲が選んだのは真ん中です。数えられるけれど、使い切るには多い数。一日をそう見ると、何かができなかったという感覚が先に来ます。
使い切れなかった時間
一日が終わるとき私たちが思い出すのは、たいていやったことではなくやれなかったことです。
1440分のうち、眠りに480分ほど、仕事に500分ほど、移動と食事に200分ほど。そうして残るのが260分ほどですが、その260分が何をしたのかはあまり思い出せません。一日のうち唯一自分のものだった時間なのに。
夜に時間を数えることがむなしいのはそのためです。数が大きいからではなく、その大きな数のなかで思い出せることが少ないからです。
ただ、思い出が少ないことは一日が空だったという意味ではありません。記憶は特別なものだけを残すようにできていますから。ふつうに過ぎた分は残らないだけで、なかったわけではありません。
数字が感情になる仕方
数字はもともと感情を持ちません。1440はただの1440です。
ところがその数字を一日に貼ると変わります。一日がそれだけあると知ってしまうと、過ぎた一日が違って見えます。何もしなかった一日も1440分だったのですから。
タイトルを数字に置いた曲がしているのはそれです。説明せずに大きさだけを見せること。大きさを見たあとは、残りを聴く人が埋めます。
数字のタイトルは検索に弱く、口に出すのも据わりが悪い。その不便を引き受けたのなら、ほかの言葉では代われないと判断したということでしょう。
今夜は、こんなふうに
灯りはひとつだけ残して。この曲は数えさせる曲なので、静かでないと数になりません。
そして今日の一日から覚えている瞬間をひとつだけ取り出してみてください。ひとつで十分です。1440分のうちひとつ残ったなら、その一日は空ではなかったのです。
明日も1440分が来ます。今日使えなかった分だけ多く来るわけではありませんが、減るわけでもありません。毎日同じ大きさで届くことが、時間の唯一の親切なのだと思います。
今夜は残りの分を数えず、過ぎた一分をひとつ捕まえておいてください。その一つが今日の「1440」。
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